「歩く動きは振り子のようって聞いたけど、走るときも同じなの?」
「ジャンプしてるから、なんか違う気がする…」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
実は、歩行とランニングでは、身体の使い方や力の伝え方が全く違います!
今回は、「逆振り子運動」と「バネ運動」というキーワードを使って、その違いをわかりやすく解説します。
歩行は“逆振り子運動”
まず、「振り子」と聞くと時計のように左右に揺れるイメージがありますよね。
歩行では、足が地面についている状態を軸にして、身体が前方にスイングしていくような動きになります。
この時、脚全体が「逆さにした振り子」のように機能するため、「逆振り子運動」と呼ばれています。
▼ポイント
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常にどちらかの足が地面に接地している
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前に倒れながら重心を乗り換えるように進む
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地面との上下動が少なく、エネルギー効率が高い
歩くときは「いかに無駄な動きをせず、安定して移動するか」がポイントです。
ランニングは“バネのような動き”
一方、ランニングになると様子が一変します。
最大の違いは、両足が同時に地面から離れる“浮遊期”があること。
この浮遊のためには、地面を強く押し返す力=反発力が必要になります。
その時の動きが「バネ」のようだと考えられているんです。
▼ポイント
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足が地面に当たると「バネ」のように沈み、エネルギーをためる
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ためたエネルギーで「跳ね返り」、身体を前方へ運ぶ
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一瞬だけ両足が地面から離れる“ジャンプ状態”になる
この仕組みを「バネ質量モデル(spring-mass model)」と呼びますが、
簡単に言えば、地面にバネでポンッと跳ね返るように進んでいくイメージです。
◆ まとめ:歩くと走るは“別物”の動き!
動作 | 主な特徴 | 動きのイメージ |
---|---|---|
歩行 | 逆振り子運動/常に片足接地/安定・省エネ | スイングして進む |
ランニング | バネ運動/両足が離れる/推進力が大事 | 跳ねて進む |
◆ ランニングフォームを見直すヒントに
この違いを知っておくことで、
「歩くような走りになっていないか?」
「バネを使って弾むように走れているか?」
をチェックすることができます。
疲れやすい走りになっている方は、「地面を強く蹴ること」ばかり意識するのではなく、
体をしっかり支えられる着地と、バネのように反発するフォーム作りを意識してみましょう。